みなさま、こんにちは。堂本暁子です。
みなさまは、江戸時代に滝沢馬琴が書いた『南総里見八犬伝』をご存知ですか?
馬琴48歳の文化11年(1814)、『八犬伝』の執筆を始めたところ、時のベストセラーとなりました。その後は75歳まで28
年間、全98巻の大長編小説を書き上げました。この小説の主役は伏姫と犬の八房、そして八犬士です。
千葉県知事時代の楽しかった思い出の一つが、毎年、行われる南総里見まつりの大名行列で伏姫に扮し、館山市内を神輿に乗って回っ
たことでした。
今年も里見まつりが10月18日に行われ、各地域からの山車、神輿、お船など合わせて27台が海岸に勢揃いし、壮観でした。
一方、馬琴の『八犬伝」とは別に、安房に生きた里見氏の歴史があります。今年は、最後の大名、里見忠義公が慶長15(1614)
年に館山から伯耆の国(鳥取県倉吉市)に流されて400年の節目ということで、館山城の前の広場で、一代義実から十代忠義まで、里見
氏代々のご供養が営まれました。
また、高野山(和歌山県)でも、里見忠義公、室、御息女の墓前で追善の法要と墓標の新設が行われ、さらにお三方の白木のご位牌の
光明院への奉納と開眼供養が営まれました。
忠義公は、400年後の今、安房や榛名(群馬県高崎市)から、大勢の里見関係者がご供養のため、遠路高野山に集ったことで、如何
ばかりかお喜びになったことでしょう。
里見忠義公が流された200年後に滝沢馬琴が『南総里見八犬伝』を書き、そのまた200年後の今年、安房の民の子孫たちが追善法
要を行ったわけで、忠義公の弟・忠堯(ただたか)公の末裔である私としても感慨はひとしお。心打たれたことでした。