【2000年6月22日号】

■おまたせいたしました。次回の森の会のお知らせです。

今、都会ではカラスと人間との間で様々な摩擦が生じています。私たちの生活様式がカラスの増加を招いた主な原因です。私たちはどう行動すべきなのでしょうか。カラスとの関係を見直すことが必要です。環境庁で作成した「都会のカラス」についてのビデオはテレビでも取り上げられるなど、大きな反響を呼んでいます。今回は、そのビデオ編集のコーディネータを務められた、野鳥研究家、松田道生さんをお招きして、ごいっしょにそのビデオを見ながらお話を伺います。申し込みは不要、どなたでも参加できますので、ふるってご参加下さい!
講演都会のカラス:松田道生氏(野鳥研究家)
報告ニューヨーク女性2000年会議、コソヴォ国際独立委員会に出席して(予定 ) 堂本暁子(参議院議員)
日時7月25日(火)18:30-20:30
場所
環境パートナーシップオフィス
東京都渋谷区神宮前5-53-70
地下鉄銀座・千代田・半蔵門各線「表参道」下車
国連大学のとなり
会費 ネットワーク会員/学生:500円
一般:1000円

5月23日に行われた前回は31名が参加しました。以下はその要旨です。

●「東京のムササビ」都立久留米高等学校  岡崎弘幸

 日本でムササビの分布について調査している数少ない一人として、スライドを使って、ムササビの生態を詳しく講演。ムササビといえば、夜間、座布団の ようなもので飛ぶ動物として有名である。人間との関わりは縄文時代より始まり、現在は鹿児島から青森までの、ある程度まとまった森のある所に生息し、東京では高尾山や青梅、五日市などに多く生息している。狭山丘陵にも個体数は少ないだろうが生息の確認をした。リス科であり、胴体が約40センチ、尾が40センチほどで、新聞紙半紙の大きさが空を飛んでいるわけである。目が大きく、団子鼻で愛敬がある。ムササビと間違えられやすいモモンガは、葉書の大きさで150gほど。また、エゾモモンガという種は、北海道にも生息している。

 ムササビの特徴としては、日没後約30分すると、巣穴であるスギやヒノキの巨木の「ウロ」と呼ばれる木の穴からでてきて活動を始め、日の出約30分前に巣に帰る。時間の正確さは、天候、季節にほとんど左右されず、まるで体内時計があるようだ。出巣したムササビは、滑空に入るために木を上っていく。 飛膜を使い、樹の上部から次の樹へ、グライダーのようにゆっくりと下降してはまた樹を上り、滑空を繰り返す。飛距離は、水平距離にして樹の高さの3倍もある。滑空に欠かせないのが、針状軟骨という可動式の骨である。手首の所から横に広がるこの骨は普段は畳まれ、滑空面積を増やすために滑空時だけ使 われる。サイドの筋肉で舵取りをし、180度の旋回も可能。体重は1kgあり、最大滑空時速は50kmにもなる。食性は、夏は葉、秋はどんぐり、という具合に季節によって種類が異なるが、常に植物食のため、栄養価も低い。地上に落ちた穴の開いた葉(-=食べ跡)、正露丸そっくりのフンからムササビの分布がわかる。

 東京都では西部の山岳地帯を除き、現在までに347ヵ所で生息を確認した。 都市部との境では、町田市は歴史環境保全地域にも生息。丘陵地の大規模開発により森が分断されてしまうと、ムササビは移動できなくなり孤立化し、絶滅 してしまう。ムササビの保全にとって欠かせないものは、巣穴となる木の存在、 通年を通してエサの供給のできるまとまった森、西部の山地とつながる緑の回廊、グリーンベルトの保全である。東京の森は40種以上の動物が棲み、世界 に誇れる自然の宝庫でもあるので、その意識を住民が持つことも大切なことで ある。

●GLOBE15回世界総会と147回国会報告 堂本 暁子

 ムササビの野性のすごさに比べると面白みの無い永田町であるが、珍しいことが最近二つあった。一つは、現職総理であった小渕総理が亡くなったこと、 もう一つは、橋本聖子議員の出産である。橋本議員は、本会議や委員会に出席する一方、赤ちゃんを議員会館の事務所に連れてきて、秘書といっしょに育児をしている。

 私は、この147国会で、交通のバリアフリー法案、児童手当法改正案、循環型社会形成促進基本法案について3回代表質問をした。特に、循環型社会のあり方については、ドイツのように物質循環と自然循環の両方を法律に盛るべきなのに、日本は結局、自然循環については抜いてしまうことに。それはおかしいと主張した。循環型社会への道は、日本経済の質を変えることである。ゴミを出さず、出したものはリサイクルする。政府は「自然との共生」とよく言っているが、法律など本当のしくみは全くそうなってはいない。自然と人間の関係の大切さをもっと深く認識し、大胆な意識改革、システムの改革を断行すべきである。

 GLOBE世界総会は、滋賀県大津で開かれ、G8環境大臣会合と同時進行で開催された。京都議定書の2002年の発効を確実にするための合意形成が 試みられるも、アメリカとカナダが反対し、日本はいつでもどんな時も、「可能な限り」という言葉がついてまわるような決断力しかない。今度の衆院選は、 日本政治の曲がり角になる重大な意味を有権者に問うことになるだろう。

質問(女性の方):県道などの建設に際して、自然を守るような計画づくりはできないのか?

堂本:ドイツではちゃんと専門家に見てもらい、それから計画を進めていくが、日本では、建設省の技官たちが机の上で都合のいいように決めていく。奄美大島では、カニがマングローブ林で産卵するのだが、陸から海辺までのカニの道を分断する道路設計のために、中途でカニが死に絶えてしまう。例えばカニの通路を作ることだって考えられる。建設省など公共事業を推進する側が、人間だけではなく、自然の動植物にも配慮するよう考えを変えていかない限りは、ムササビ同様、開発優先のこの状況は変わらない。