わが健康
1999年
堂本暁子


私は登山をやっていて、50代まで6000メートルの山に登っていました。登山のために、トレーニングとしてテニスもしていました。以前はテレビのディレクターでしたが、大変重労働で、特に外国取材の時などは、重い荷物をいくつももたねばなりませんでした。しかし、山登りをやっていたので気になりませんでした。とにかくスポーツが好きで、鍛え続けてきた体なので比較的頑丈だと思っていました。

国会議員になって10年が経つのですが、今その貯金を全部おろしてしまって、挙げ句のはてに借金ができていると思っています。その最大の理由は、やはり運動する機会が少ないということですね。また遅くまで起きていたり、外食も多いのです。体重がかなり増え、足が弱くなりました。コレステロールも増えました。それで、3年ほど前から、このままではいけないと思うようになったのです。

きっかけは、与党で医療保険制度改革協議会に入り、私自身も含めて高齢社会になったときに、寝たきりにならないでいかに死ぬまで自分で歩いてトイレに行けるかということをつくづく考えるようになったことですね。どうせ80、90まで生きるのなら、その年齢なりの元気さで過ごす必要があるのじやないかと思ったのです。

今の日本で一番欠けているのは薬の処方は出るけれど運動の処方は出ないということですね。脳血栓で倒れた人でも適当な運動をやれば結構元気になれるのです。寝たきりになってから多くのお金をかけるのでは意味がない、万一病気になってもリハビリをしてできるだけ寝たきりにならない。私は今、このことを日本の政策としてやるべきだと主張しています。

私は、朝食に納豆と野菜を必ず摂るようにしています。最近は昼食も野菜たっぷりのものを持参するようになりました。それから、歩くこと。万歩計をつけているのですが、なかなか目標値まではいきませんね。それでプールで水中歩行やっています。体重がかからなくて筋肉だけを強めるのでいいですね。10日に1回ぐらいですが、必ずやるようにしています。

他に筋肉トレーニングで体脂肪を燃やすようにしています。月に2、3回ですね。こういうことを2年間こつこつとやってきましたら、体重が減り、足の筋肉が少しずつ強くなってきたのです。体脂肪も減ってきています。徴々たる努力の積み重ねですが、意識的に歩いたり体を動かすことで年齢に逆行して強くなるのです。

この30年で平均寿命が30年伸びました。どうしたらその30年間を寝たきりにならず、痴呆にならずに過ごせるかの実験を自分の体でやっているつもです。健康寿命とその人の絶対寿命との差が少なければ少ないほうが幸せです。