堂本暁子の永田町レポート
中国の若いリーダー 胡錦潯中国国家副主席
1998年04月23日

皆さま 堂本暁子です。

昨日、外務大臣主催の、胡錦潯・中国国家副主席歓迎の晩餐会に出席した。胡副主席は、上海出身の55歳、ポスト江沢民と目されている。私はすぐ近くの席から本人を間近にみたが、いかにも若々しい。

宴もたけなわ、私は赤ワインのグラスをもって、挨拶に行った。「堂本暁子と申します」と唯一使える中国語でいった。「連立三党の中は、橋本総理以外は土井たか子・社民党党首と私の、女性二人です。ただ、さきがけはわずか5人の小さな党です」とそこまでいうと、胡副主席は「小さくても、さきがけは与党の中で非常に大事な役割を果たしていらっしゃると聞いています」とにこやかにいう。そのよどみのない対応に、私は驚き、そして相手の顔をしっかり見ながら、胡副主席と杯をあわせた。

中国といえば鄧小平のようなリーダーが君臨している国、との印象が強いが、若いリーダーの台頭は新しい中国の幕開けを予感させるものであった。

橋本総理が語る「川奈の橋本・エリツィン会談」

4月20日午後6時30分、常任委員長室。
政治倫理についての三党首・三幹事長・三座長の会議が開かれる。
エリツィンとの会談が終わった直後の総理は、いかにもうれしそうにいった。「エリツィンがあんなにさざえが好きとは知らなかった。日本式の壷焼きを3個も食べた。しかもあわびもおいしいといって、2個食べた。さすがにみかねた大統領夫人がもうやめなさいといって止めていた」と総理。私にとっても意外だった。新聞では読まなかった情報である。

4月23日午後1時、首相官邸。日露会談の報告が行われる。
「エリツィンの健康はずいぶん回復していて、元気だったと思う」と総理。「デンバーサミットの時には、朝食をナイフとフォークで切り分けているんだけれど、食べずにジュースだけ飲んでいた。クラスノヤルスクで会ったときには、ウオッカを飲むようになっていたが、食事はお嬢さんがそばについて制限していた。けれど川奈では釣りに行くあいだもビールを飲みどおし。エリツィンは本当はウオッカより赤ワインが好きなのだそうだ。赤ワインを飲み、ほろ酔い気分で帰りのヘリに乗り込んでいった」とのこと。交渉の四角四面の報告のあいだに、エリツィンの飲みっぷり、食べっぷりの話しがでる。国のリーダー同士として、橋本総理がエリツィン大統領の健康を非常に気遣っていることを今日は感じた。