皆さま 堂本暁子です。
IUCN北東アジア地域会合(ソウル)に参加
世界自然保護連合(IUCN)の北東アジア地域は、中国、日本、韓国、北朝鮮、モンゴルの5カ国です。第1回の会合を96年に日本で、去年中国の海南島で、そして今年は韓国のソウルで9月11日に開きます。私は、この地域から選出された理事として、ヨルダンから持ち帰った世界自然保護会議の準備会合で決まったことを伝えることになります。参加者は、全部で34人。タンチョウヅルは国境を越えて飛び交っており、酸性雨もやはり国境を越えて降るこの時代に、国境を越えた地域の環境問題について大いに語ってこようと思います。
どうなっている日本の農村、女性たちは? 鳥取で開かれた女性農業経営者の全国集会
最近、日本の農業のあり方に関心を持っています。実状を調べはじめて驚いたのは、農家の女性たちが、古いしきたりに縛られ続けているということです。
農業従事者のほぼ6割が女性であるにもかかわらず、農地を所有している女性が非常に少ないですし、意志決定への場への参加も少なく、女性の農業委員はわずか0.7%しかいません。前国会では、男女共同参画社会基本法や農業者年金基金法改正の審議など、折りにふれてこの問題を取り上げてきましたが、この度9月2日から3日、鳥取で全国女性農業経営者会議の集会が開かれたので、生の声を聞く良い機会と考え、ヨルダンから帰国後成田から直行しました。
予想に反して、この会議に集まった農家の女性たちはことのほか明るく、自信に満ちていました。特に印象に残ったのは、朝早くから夜遅くまで、育児、高齢者の介護、牛の世話、そして畑と働きづめの生活でありながら、それを楽しく、しかもやりがいを感じながら近代的な経営に挑戦しているという事例発表です。最近になって酪農ヘルパー制度が導入されるまでは、酪農家は1日も休めないと言う実態を、牛乳を飲み、肉を食べる私たち都会人は知らないだけに、頭の下がる思いでした。とにかく彼女たちは働き者です。なかには「結婚して30年ぶりに初めて1泊2日の家族旅行を楽しめた」と、嬉しそうに語る方もありました。農家の嫁という立場で我慢をしている女性も多いのでしょうが、農業が好きであったり、やりがいを見いだしたりして、夫との対等な共同経営に切り替え、生活を楽しむ余裕を生み出しているとの発表に、感動すら覚えました。全国330万戸の農家ではまだ、このような試みにほど遠いのかもしれませんが、地に足をつけて働いているこうした女性たち、そして一緒に参加したパートナーたちの努力が積み重なって、やがては日本の農業を変え、支えていくのだとつくづく感じました。