皆さま 堂本暁子です。
ドイツ便り(8月23日〜26日)
ドイツのボン郊外で、GLOBE(地球環境国際議員連盟)の10周年記念総会が開かれ、出席しました。GLOBEは、89年にアメリカ、ヨーロッパ議会と日本の議員でスタートし、後にロシアも加わりました。モットーはフレンドリーとインフォーマル。つまり、形式的な組織ではなく、実を取ってゆこうというグループです。楽しく、忙しく活動してきたGLOBEも10年たつと世に知られ、今後はより多くの国と地域に拡大拡充していくという方針を、このボン総会で確認しました。
ところで私個人にとっての最大の出来事は、GLOBE INTERNATIONALのプレジデントに選出されたことです。責任の重い役ですが、アメリカとヨーロッパにばかり主導権を握られるのも不本意なので、私なりに初の女性プレジデントとして、職責を全うしたい、と考えています。皆さまのご助言などサポート無しではできない仕事です。よろしくお願いいたします。
ヨルダン報告(8月26日〜31日)
8月26日にパリ経由でヨルダンのアンマンに移動しました。久々に砂漠の国への旅です。午前4時30分、街に鳴り渡るコーランの祈りの音で毎朝、目が覚めます。宗教が生活の中心なのだと感じる瞬間です。コーランは独特の節回しで、演歌の小節のような唱え方ですが、中近東の景色と雰囲気がぴったりな音色で、不思議と引き込まれます。
アンマンでの仕事は、2000年10月にIUCNが開く世界自然保護会議の準備です。オランダから、カナダから、中国から、ドイツから、スイスからそして私は日本からと、世界各地から集って、ホスト国ヨルダンとの打ち合わせを行いました。昨日は王宮に皇太子を訪ね、会議についてご説明を申し上げたのですが、皇太子は19歳でも、積極的に対応される。これも王家が政治的な力を持っているアラブ世界の特徴といえそうです。「世界自然保護会議」は20世紀最後の環境関連の大きなイベントになる予定で、テーマは「エコスペース」。国境を越えて、川や森、海や山を環境の視点からとらえる、新しいコンセプトを意味し、底流にあるのは、環境安全保障です。
会議の合間に初めてイスラエルを訪れ、複雑に交錯する民族と宗教の中心地エルサレムを目のあたりに見る機会を得ました。中東平和の難しさを改めて感じています。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地エルサレムは4千年前から、歴史の波に何度も押し寄せられ、今も歴史的対立が続いているのでしょう。観光客や巡礼の人波にもまれながら、思うことが、多すぎて整理がつきませんでした。重い一日でした。