堂本暁子の永田町レポート
委員会3題
1999年11月19日

皆さま 堂本暁子です。

146回臨時国会が開かれています。2つの委員会、1つの調査会で質問を行いました。

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法の盲点をついた商工ローン 財政・金融委員会(11月11日)
財政金融委員会は私が所属する委員会ではないのですが、日栄と商工ファンドの社長に対する質疑ということで、2人の顔見たさに私は質問に立ちました。日栄の松田社長は、さすが一からたたきあげただけあって、独特の雰囲気。年収は1億5千万円。一方、商工ファンドの大島社長は、松田社長の弟子とのことですが、雰囲気は正反対で三井物産の社員だったことを強調するなど、国際派、ベンチャー企業の騎手のスタイルに徹していました。
私が問題だと感じるのは、社員の中にも自殺者がでたり、強引な返済を企業のみならず連帯保証人にも求めるなど、世の中に混乱を招いているにもかかわらず、商工ローン企業が堂々と上場企業として業績を伸ばしていることです。企業が社会的モラルを無視して、成長することができるとしたら、この国の資本主義とは何だったのでしょうか。「100万円を1年借りたらいくら返さなければならないのか」という委員会での私の質問に、本日、2社から文書で回答が来ました。日栄では122万7150円、商工ファンドでは129万3600円だそうです。本当にこれだけでしょうか?皆さんはどうお感じになりますか?

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迷走する介護保険 国民福祉委員会(11月18日)
「子が親の面倒を見るという美風」という亀井自民党政調会長の言葉に始まった介護保険の特別対策に、多くの人たちが反発しています。とりわけ女性の間では、「家族介護慰労金(年額10万円)によって介護の社会化が進まず、女性の介護地獄が固定化してしまう」と強く反対しています。私は自民・社民・さきがけの3党連立政権の時に、この介護保険法案づくりに深く関わってきました。また、社会保障制度審議会も1991年から審議を重ねてきたにも関わらず、実施5か月前になって、審議会の委員の一人が、「審議会の議論を反故にした」と言ったほど、大きな変更をすることには納得がいきません。
多くの市町村で、100回以上の住民説明会を重ね、2年がかりで保険料徴収の電算システムを作り上げてきています。全国の市町村はとまどいを隠せません。一番の問題は当事者のお年寄りが不安を抱くことではないでしょうか?

このような私の質問に対して、丹羽厚生大臣は、「来年4月から、介護保険法を実施するのであり、あくまでも社会保険制度を導入するということだ」と答弁しました。しかしどう考えても、65歳以上の介護保険料の徴収を来年4月から9月まで凍結し、10月から1年間は半額に軽減するというのは、負担と給付の関係をあいまいにするのではないか、という疑問を私はぬぐい去ることはできませんでした。

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女性の政治参加 共生社会に関する調査会(11月19日)
今日から共生社会に関する調査会で、「女性の政策決定過程への参画」についての審議が始まりました。
参考人として出席された樋口恵子さんの発言「共生社会は、ベートーベンの第9のようなもの、男女のコーラスがあり、男女のソロがある。人類の声です。ところが、女性が一人もいない、或いは少ない日本の議会は、人類ではなく、男類の声」 「小選挙区では女性が出馬しにくい。衆議院498人中、女性は25人ですが、そのうち選挙区で当選した衆議院議員はわずか5人。女性がでにくい状況が日本の政治をおかしくしているのではないでしょうか?」
藤原房子参考人は、「言葉は政策に影響を与え、世界を変えるのは数字なのに、日本では女性に関する統計が不足しています」と指摘されました。
私は会長に対して、「女性の実態がわからない限り、政策の提案もできません。この調査会として、行政にジェンダー統計の充実を要求してほしい」と求めました。