堂本あき子なの花日記 No.81
病院の中の図書館
2007年1月17日

皆さま 堂本暁子です。

1月14日、千葉県がんセンターで、患者さんや家族が参加して「がん情報サービス向上に向けた地域懇話会」が開かれ、私も参加しました。

質問に立った男性の患者さんは、声を震わせながら「『癌』という病名を変えてほしい。『痴呆症』も『認知症』に名前が変わった。癌だと言われることは死を宣言されるのと同じ」と言いました。

それに対して女性患者さんから、「どんな名前になろうと癌は癌、変わらないと思う」という意見があり、さらに、別の患者さんから「癌について勉強し、ドクターと協力しながら病気に向かい合い、治すよう努力すべきなのではないか。この病院には図書館があって、司書の人から適切な本を示され、どれだけ勇気づけられたかわかりません」との話がありました。

このセンターには「にとな文庫」という患者さん向け図書室があり、ご本人も癌患者だった司書の下原さんがいます。下原さんからは「一人でも多く患者さんに『あってよかった』と思っていただける図書館にしていきたいと思っています」とのメールをいただきました。

本屋に行けず、経済的にも余裕のない入院患者さんたちのために、こうした図書館が病院の中にあるということは大事なことです。しかも司書が当事者として患者さんの立場を理解し、適切な助言ができることはさらに素晴らしいことだと思っています。

こうしたことを通じて、一人でも多くの患者さん、そして家族の方が、癌について正しい情報を得ていくことができると良いと思いました。

千葉県がんセンター