堂本あき子なの花日記 No.105
「G20ちば2008記念国際フォーラム」からの情報
2008年3月12日

皆さま 堂本暁子です。

3月8日・9日、幕張メッセで地球温暖化と生物多様性をテーマに「G20ちば2008記念国際フォーラム」が開かれました。国内外から多くの研究者が集まりましたが、会場での専門家たちの発言やレポートには、驚くことが多々ありました。

例えば、桜が咲く時期が早まってきていることが、千年前の古文書を読むことでわかってきたそうです。ヨーロッパの葡萄酒の記録は、どんなに遡っても500年。千年前からの開花記録があるのは、世界広しと言えども日本だけです。

青森県の弘前城公園や秋田県の角館でも、この60年の間に桜の開花日が約5.5日早まっているとのこと。本当は昔のようにゴールデンウィークに咲いて欲しいのだけど、と地元では嘆いているそうです。

昆虫の世界にも異変が起きています。例えば、日本古来のカメムシであるアオクサカメムシが、南方に棲む外来種のミナミアオカメムシに駆逐されかかっています。このミナミアオカメムシは稲や大豆、果物などにとって害虫なのだそうです。

鳥はどうでしょうか。代表的な冬鳥であるガン類は90年代になってから越冬地が北上し、かつては中継地だった場所が越冬地化しています。昔は、春と秋だけガンが訪れた秋田県の小友沼などの湖が、最近は真冬になっても凍らなくなったので、そのままそこでガン類が越冬するようになってきたのです。

また、宮城県の伊豆沼や蕪栗沼では、1975年ごろに1万羽以下だったガンの渡来数が、2005年には10万羽を超え、まだまだ増え続けています。これは、ガンの繁殖地域であるツンドラ地帯の温暖化により、ガンの主要な食べ物であるスゲ類などの植物が増えてきているために、ガンの数が増えているからだと思われます。

ただ、ツンドラに巣をつくるガンたちは、温暖化がさらに進んでツンドラが森林になると、巣作りできる環境がなくなって繁殖できなくなり、群れが崩壊してしまうとのこと。ガンたちの存続の危機です。

生物多様性保全の大切さを改めて認識し、地球温暖化を防ぐため、地球上のすべての人たちが協力していかなければならないと強く思ったことでした。今週末、幕張メッセで「G20グレンイーグルズ閣僚級対話」が開かれます。この思いがちばから兵庫へ、そして洞爺湖へ、さらに世界へ広がっていくことを願っています。