堂本暁子の永田町レポート
総理の施政方針演説への感想
1998年2月23日

皆さま 堂本暁子です。

“教育に真正面から取り組む”というけれど…
総理は、現在わが国が取り組むべき課題の第二に教育を取りあげました。総理は「わが国の学校教育は、平均的には世界最高の水準であるが、進学率が上昇する中で、受験競争やいじめ、登校拒否、さらには青少年の非行の問題がきわめて深刻になっている」との認識にたち、真正面から教育問題に取り組むと施政方針演説で述べています。与党にいる以上、総理を批判するよりは自らの責任として受けとめなければならないと考えていますが、施政方針演説の内容は、いささか具体性に欠けるといわざるを得ません。

文部省は中央教育審議会の答申をうけて中高の一貫教育を実現しようとしています。しかし大学受験がある限り、しかも偏差値で合格の成否決まる限りは、受験競争が緩和するとは思えません。つい一週間前も、文部省の初等中等教育局長と、この件で話し合ったときにも、私は大学入試を廃止することが最も効果ある方法だと主張しました。

大学は、本当に勉強し、卒業試験に合格した学生だけを卒業させるようにすれば、試験技術のために小学校から高校まで子どもたちは苦しまなくなるはずです。もっとゆるやかな進学のシステム、そして中学、高校、大学と、さらに就職後も、子どもたちに選択の自由を、可能な限り多く与えるべきではないでしょうか。

明治以来、構築されてきた教育制度を、根底からひっくり返すような大変革かもしれませんが、子ども達のためにも、日本の将来のためにも、今はダイナミックな教育改革を行うべきです。