堂本暁子の永田町レポート
リンゴに迎えられて青森県弘前へ
環境安全保障・生活安全保障の視点を訴えました。
1998年10月19日

皆さま 堂本暁子です。

「昨日までは新党さきがけ、今日から無所属。そのスタートを弘前から切るとは思っていませんでした。国会閉幕を主催者は予想しておられたわけではないでしょうが、今国会の閉幕と同時にさきがけを離党することにしていたのでこういうことになりました。」と、私は一昨日、青森県弘前市で開かれた全国女性議員サミットで切り出しました。

200人の地方議員をはじめ、千人余の女性たちが集まったこのサミットには、社民党党首土井たか子、自民党の森山眞弓、公明代表の浜四津敏子、民主党の小宮山洋子の各議員と私の国会議員5人が参加。それぞれの議員の席に似顔絵リンゴがおかれているのには、さすが青森とびっくり。

続いて次のように私は言いました。

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「政治家にとって一番苦しいのは選挙に負けること。衆参あわせて30人近くいた新党さきがけが、前回の衆院選挙でたった5人になってしまい、この7月の参議院選では1議席も得られず惨敗。国会ではわずか5人でも自社さ連立の中で全力投球したさきがけですが、選挙に負けて気がついたことは、有権者の中に根を下ろしていない『議員政党』だったということです。この反省に立って、残り3年の任期、比例区選出の私は全国の有権者と肌でつながっていきたい、市民の意思を政治に反映したい、と心に決めたのです。

第143国会は、景気回復と金融危機への対策に大きな比重がおかれました。国際金融市場に日本が参画するのが遅れたツケが今、何十兆もの財政を出動させる形で回ってきたのです。一方で、経済金融に振り回され、介護保険や、温暖化対策の議長国としての責務、金大中大統領の来日、北朝鮮のテポドン発射など日本にとって大事な政治課題がかすれてしまったように思います。男女共同参画社会基本法もその1つだと言えます。この問題もグローバル・スタンダードに極端に遅れており、国連の最新発表では、管理職や国会議員に女性の占める割合でみると日本は世界38位。このツケは数字では表れませんが、子どもが切れる、ダイオキシン等による環境ホルモンの問題、男性の過労死、母ちゃん農業などの社会現象となって現れています。出稼ぎに出て半年も父ちゃんが帰ってこなくていいのでしょうか?金融だけではなく、社会のひずみが出ているのは明らかです。だからこそ今価値の転換が叫ばれています。

東西冷戦、核のバランスの時代から、南北における女性、環境、人口、開発、貧困が問題の中心へと時代が移り変わる中、私たちの意識も環境安全保障、生活安全保障の視点へ変革することが問われています。日々の食の安全、育児、介護、ゴミの問題などに関して女性は無関心ではいられない。女性は包括的に生きざるを得ないのです。20世紀は男が中心になって物事を縦割り、細分化していく文明が支配しました。21世紀は男女ともに包括的に物事を捉える時代になっていくでしょう。99年の地方選挙は、生活者であるサラリーマン、農家や漁業を営む家庭の女性が活躍するのではないでしょうか。21世紀の政治地図を塗り替えるような成果がでるよう願っています。そのため、私も楽しく皆様と一緒に全力投球したいと決心しています。」
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嵐が吹き抜けた日本列島で、青森だけは不思議に晴れていました。お陰で世界遺産の白神山地の入口まで足を延ばすことができました。