堂本暁子の永田町レポート
第145国会開会、施政方針演説を聞いて
1999年1月19日

皆さま 堂本暁子です。

今日、第145通常国会が開会し、首相はじめ4大臣の施政方針演説がありました。いつものことですが、演説は総花的で美辞麗句がちりばめられています。しかしそうした中で、不思議に思った表現がいくつかありました。

小渕総理大臣の演説「いまや大いなる悲観主義から脱却すべきとき・・・(中略)今必要なのは、確固たる意志を持った建設的な楽観主義であります。」
現在の日本の状況で、楽観的になれるものでしょうか。失業、ダイオキシン、テポドン・・・私たちの周りには悲観的にならざるを得ない出来事が多すぎるように思います。

高村外務大臣は外交演説で、地域紛争、民族紛争の頻発、テロの深刻化などを「脅威の多様化」と表現しています。私は「価値の多様化」、「生物多様性」などと、「多様性」と言う言葉をポジティブな意味に使ってきたので、ここは「脅威の拡散」とでも表現してほしかったと思いました。

宮澤大蔵大臣の財政演説は、「我が国の経済は、極めて厳しい低迷状況にあります。」と指摘。続いて、堺屋経済企画庁長官が経済演説の結論部分で、「我が国には三千百兆円を越える実物資産があります。(中略)世界に先駆けて高齢社会が現実となる日本は、その豊かさと優れた慣習を活かして、これからの人類文化に積極的な貢献ができることでしょう。」と述べました。野党席から「三千百兆円はどこにあるのだ?」「そんな豊かな高齢社会が実現するのか!」とヤジが飛びました。私も同感です。

GLOBE(地球環境国際議員連盟)の理事会に出席。理事会はロンドンから車で1時間ほど行ったトム・スペンサーGLOBEインターナショナル会長宅で開かれました。出席したのは、GLOBE・USのジョン・ポーター下院議員、GLOBE・EUのカルロス・ピメンタ議員、GLOBEロシアからはヴィタリー・セバスチャーノフ議員、そしてGLOBE・JAPANからは小杉隆代議士と私。これらの常連に加え、今回から南アフリカ共和国のステファン・グローブ議員が参加。先進国中心の組織から、途上国をも含めた地球全域を網羅する組織へと、これから10年かけて、徐々に拡大していくという方針が立てられました。ところでトムの家は敷地が10ヘクタールもあり、馬が数頭遊んでいました。イギリスの個性と歴を景色の中に感じる一方で、日本も歴史があるのに、どうしてどこの街並みも没個性になってしまったのか、とつくづく感じたりもしました。