堂本暁子の永田町レポート
オオワシの危機を総理に質しました
1999年3月15日

皆さま 堂本暁子です。

生物界のトップ、オオワシの危機を総理に質しましたー予算委員会で質問ー
2月20日、釧路から知床に向かいました。
真っ青な空、その静寂を引き裂くように鉛ライフル銃の音がして、その途端、何十羽ものカラスが頭上に集まりました。猟師がエゾシカを撃つ音は、カラスにとってはシカという餌にありつけるという合図なのです。
温暖化のせいか雪が少ないことも理由の1つだそうですが、この数年シカが増えすぎたため、狩猟期間が延長、狩猟数も大幅に増加。処分しきれずに放置されたシカの死体を食べたオオワシやオジロワシが鉛中毒で死ぬという悲しい事故が続発しています。
3月9日の森の会では、川道美枝子さん(シマリスとミズナラの森を見守る会)、竹下信雄さん(生物多様性JAPAN)とともに、現地視察の報告をしました。川道さんの「温暖化でシマリスが冬眠できなくなる」というお話に続いて、竹下さんと私がワシ類の鉛中毒問題について、撮ってきたビデオなどで紹介しました。翌日の10日には、さっそく予算委員会において、国のトップである総理大臣に日本の生物界のトップであるワシ類が危機にあることを質しました。


「北海道の弟子屈町で鉛中毒で死んだワシに会いました。死の抗議を受けたようで、とても胸が痛くなりました。このオオワシ、オジロワシは文化財保護法で天然記念物に指定され種の保存法でも国内希少野生動植物に指定されている日本の宝。法律で守られるべきです。総理のお考えは?」

小渕総理大臣
「当然保護されていかなきゃならないと思っております。」


「トップの方同士、ワシの気持ちをわかっていただいて、うれしく思います。これは、単にワシや鉛の問題といった小さなことではなく、地球環境の問題です。ワシはロシアのオホーツク沿岸から来ます。国際的な問題、そして日本の責任問題でもあります。次の世紀にまでかかわる大きな問題、積極的な施策を総理大臣として取ってほしいと願っておりますが、いかがでしょうか。」

小渕総理大臣
「渡り鳥など、日本に来て種が絶滅するようなことがあってはならぬということは当然のことで、日本としては、日本に飛来したものはこれを積極的に保護いたしていくべきものと考えます。」

このような答弁をされた以上、人間の都合ばかりを優先させずに、総理はきちっと対応してほしいと思います。オオワシと人間の共生は、自然と人間の共生のシンボルとも言えるのですから。

翌日、北朝鮮に行くことの報告で総理官邸に伺ったところ、玄関正面に大きなオオワシの絵が飾っていることに気づきました。開口一番、「総理、毎日オオワシを見ていらっしゃるんですね。」と私が聞くと、「あれは横山大観が書いたそうですよ。」と総理が答えました。大観の時代にはオオワシはおおらかに日本の空を飛んでいたわけです。

北朝鮮へ行って来ます。
ここのところ、質問続きで、忙しい日々でした。
まず3月9日、国民福祉委員会で、スポーツトレーナーの資格制度のあり方について質問しました。
次に上記の予算委員会があり、11日には総務委員会で情報公開法案について質問しました。
そして今日は再度国民福祉委員会で、社会福祉基礎構造改革と健康増進のための施策について質問します。
3時半まで質問をして、北朝鮮へ向けて飛行機に飛び乗ります。
帰って来次第、北朝鮮のホットな報告会を開きたいと思っています。では行って来ます。