堂本暁子の永田町レポート
国会の異常事態の中で
2000年2月1日

皆さま 堂本暁子です。

野党が欠席のまま、施政方針演説が行われ、代表質問が行われている事態の中で、「いったい堂本さんはどうしているのですか?」とみなさまは思っておられるのではないでしょうか?

与党が、「定数削減法案の本会議採決を2月2日に先送りする」という伊藤衆院議長によるあっせん案を拒否したのは、納得がいきません。与党であれ野党であれ議長の裁断は拒否すべきではないと思います。まして伊藤議長は与党出身です。国会の最高責任者である議長の裁断に、与党が従わないのであれば、議長の権限は無に等しい、そして数さえあれば何でもできてしまうということになります。

あくまでも第一与党である自民党が、国会を正常化する努力をすべきだと考えます。私は、1月27日、民主・社民・共産の3野党が欠席した国民福祉委員会の理事懇談会に出席。年金法案という重要法案の審議にあたり、3つの点を主張しました。

1.国会が正常な状態において、審議すべきである。
2.第一与党である自民党は、そのために精一杯の努力をするべきである。
3.年金のようにすべての国民に関係のある重要法案について、野党欠席のまま、審議そして採決を行うような愚挙は絶対にするべきではない。そんなことをすれば、年金制度への不信が一層高まり、保険料を払わなくなるのではないか。

ところが今日、野党欠席で再び理事懇談会が開かれ、野党欠席のまま、明後日に委員会が開かれることになり、与党三党と西川きよしさんだけが質問することになってしまいました。

本会議の質疑について
「参議院の会」は野党と行動を同じくしているわけではありません。独自の行動です。私たちの行動基準は党利党略、選挙対策なのではなく、あくまでも民主的な立法府としての責任を果たそうというものです。本会議においても審議には参加しませんが、「言論の府」である国会の機能を完全に麻痺させ、多数に任せて予算などを成立させようとする連立与党のあり方に抗議をする意味で、明日、参議院の会は代表質問を行うことにしました。

今、新聞が「巨大与党」という言葉を使っていますが、十分な審議もせず数の論理で強引に国会運営をおこなうやり方に対して、私は大きな疑念をもたざるを得ません。おりしも英国下院は1月25日から26日まで延々30時間の本会議を行ったそうですが、反対意見にも十分に耳を傾けてこそ、政権与党たる者のあるべき姿ではないでしょうか。