堂本暁子の永田町レポート
3世代同居を考える
2000年3月8日

皆さま 堂本暁子です。

今日は国連女性の日。共生社会に関する調査会で、女性の社会参画に関する自由討議が行われました。東大の元学長であり、文部大臣も務められた有馬委員の発言がとても興味深く、私もそれに関連して発言しました。

有馬朗人委員:
私は大学でもっと女性や外国人を登用するよう主張してきたが、理想にはほど遠い状況である。特に少ないのが女性の学長。98ある国立大学のうち、学長が女性なのは奈良女子大のみ。津田塾や日本女子大は女性の学長であるが、たしか東京女子大の学長は男性。(中略)戦後急激に増えた核家族について、もう一度考え直す時ではないか? 独立して子供を育てるということは良いことであるが、子供の教育に自信がもてないなどの問題も生じている。昔と違って元気で、以前ほど孫に甘くなくなったおじいさん、おばあさんにもっと子どもの教育を任せるべきではないか。男女共同参画社会を考える上で、3世代同居の良さを見直し、3世代がいっしょに住める社会を実現すべきではないかと考える。

堂本暁子:
60歳以上の家族類型で見ると、日本では3世代同居が29.2%もあるのに対し、米国、ドイツはいずれも1.8%に過ぎない。反対に男性高齢者の単独世帯は米国、ドイツの20%代に対し、日本は2.4%と極端に少ない。日本の高齢者はたいへん元気になった。多様な住み方が考えられる。
家族の単位だけではなく、例えば高齢者施設と、保育所などを同じ場所に設置するなど、複数世代が同居する状況を「社会化」していくことも重要である。児童養護施設と高齢者施設がいっしょになっているケースをテレビで見たが、その普及には行政の縦割が大きな障害となっている。3世代同居の社会化に向けて、行政の横断的・包括的な施策が必要であり、そうした施策を通じて、男は仕事、女は家庭という性役割分担も改善されていくのではないか。

訂正とお詫び:
前回の3月1日号に、五十嵐暁郎教授のお話として、日本の1人当たりのGDPが60年代にアメリカを超えた、と読み取れる箇所がありましたが、事実は80年代です。先生の実際の発言内容は「日本も一人当たりGDPがアメリカを超えたのに、スウェーデンの『黄金の60年代』のような変革がなぜ日本では起こらないのか」というものでした。編集過程でミスがありましたことをお詫びいたします。

来週15日水曜日は森の会です。
場所:東京青山、環境パートナーシップオフィス 18:30〜
講演:遺伝子組換え生物の問題について 朝日新聞社会部 石田勲氏
報告:2000年通常国会の最新情勢  堂本暁子
どなたでも参加できます。ふるってご参加下さい!