堂本暁子の永田町レポート
年金法案、強行採決で幕切れ
2000年3月21日

皆さま 堂本暁子です。

本日午後6時国民福祉委員会で野党欠席のまま年金関連改正法案の強行採決が行われ、与党の賛成で法案が可決されました。またしても数の横暴による幕切れでした。法案は明日参議院本会議で採決され、再度衆議院に送られます。私の委員会での一日を紹介します。

09:50     理事会
10:00〜14:10 年金に関する公聴会

公述人として、女と男が平等に働くための制度改革を進める会代表で税理士の山崎久民さんを推薦。零細企業従業員が厚生年金に加入できない問題、自営業者の妻と大企業サラリーマンの妻の格差などについて質問。

14:50〜    理事会再開
15:00〜17:30 国民福祉委員会

年金制度をもっとわかりやすい制度に抜本的に改革することを主張し、女性に多いパート労働者の取り扱いが、各年金制度によって異なることなどを質問。私の次の西川きよし委員の質問が終わった段階で散会すべきところを、いつもながらの和服姿の狩野安委員長は突然、休憩と理事会再開を宣言。

17:30〜17:54 理事会再開

3野党の反対で騒然とした中、委員長は与党理事の提案を受け入れ、強引に委員会を再開して法案を一括して採決することを委員長職権で決定。

17:54     委員会再開
17:59     採決

委員会室に戻ると、採決を察知した法案関連の宮沢蔵相、保利自治相、玉沢農相、中曽根文相も着席している。集結した野党議員の怒号の中、自民党委員から年金関連法案一括採決の動議が出され、委員長の言葉はほとんど聞き取れないまま採決。私は手を挙げなかったが、与党と西川委員の賛成で法案は可決。

参議院では8回の委員会と1回の公聴会、合計31時間40分の審議を行いましたが、その間私は一貫して女性の視点から年金制度の本質に迫りました。専業主婦が独立した年金権を持てない問題、離婚時の年金分割、遺族年金の問題など、いずれも今回の法案では一切手をつけられていません。今回の法案は当面の財政危機を乗り切るだけのその場しのぎの法案と判断、私は採決にあえて出席し、反対票を投じました。

審議を通じて痛感したことは、今の年金制度が非常に複雑なものになっていることです。今や年金など社会保険料の総額は54.5兆円と国税総額47.1兆円を上回っています。財源や負担のあり方など制度の根幹についての抜本的な改正について、もっと国民的論議を高め、職業や性別、ライフスタイルに関係なく誰にも公平になるよう、一本化してわかりやすい制度に改革を行うべきだと考えます。