堂本あき子なの花日記 No.51
「カトリーナ」に学ぶ、千葉の防災
2005年9月5日

皆さま 堂本暁子です

8月末、米国南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」は、深刻な被害を与えました。

私は昨日、CNNで「ニューオーリンズの病院から、出生直後の赤ちゃん29人が救出された」というニュースを見て、ショックを受けました。未熟児の赤ちゃんは保育器に入ったままの状態でした。8月29日にハリケーンに襲われてから5日後の救出で、子どもと再会した母親は赤ちゃんを抱きしめて、泣いていました。

私が疑問を抱いたのは、ニューオーリンズ市はハリケーンの避難予告を出していたにもかかわらず、なぜ、一番先に病院に連絡しなかったのか。なぜ、最優先で避難させなければいけない、こうした出生直後の乳児が置き去りにされたか、ということです。

番組の内容は「赤ちゃんが救出された」という明るいものでしたが、州や市の災害対策について、考えさせられたニュースでもありました。州や市が、迅速な情報の把握と伝達・被害者の救済について、常日頃から準備していれば、乳児や入院中の患者さんが置き去りにされるようなことは、起きなかったのではないでしょうか。

8都県市の合同防災訓練が、9月1日に千葉市会場、9月3日〜4日に富津市会場で、それぞれ行われました。今回の訓練には、消防・警察・自衛隊・医師会・歯科医師会・赤十字などの、各機関が参加しました。私は防災訓練後の訓示で、その朝テレビで見た、ニューオーリンズでの29人の乳児の救出について話し、次のように強調しました。

「何より大切なのは、実際に災害が発生したとき、関係機関の皆さんが今日の訓練のように協力し、迅速な対応を行うことです。そのことによって被害を最小限度にとどめることができます。ニューオーリンズでも、そのような態勢ができていれば、ハリケーンが接近したとき、赤ちゃんたちを最初に避難させることができていたはずなのです」と。

今回の合同防災訓練は「体験」を重視し、住民のみなさんには、3日の夜から避難所に泊り込んで、体で「災害」を経験していただきました。関東大震災なみの地震がいつ起きてもおかしくないと言われている昨今、エレベーターが動かなくなったり、職場や学校から帰宅できない人たちが何万人も足を奪われるなど、都会特有の問題が浮上してきています。このような問題に対処するためにも、具体的な体験型訓練をこれからも積み重ねていく必要があると思っています。