「断腸の思い」で障害者条例案を撤回 |
2006年7月4日 |
皆さま 堂本暁子です。 昨日の県議会の傍聴席は、白い杖をつき、車椅子に乗り、あるいは親に手をひかれた知的障害者の方など、障害者やその家族が次々と席を埋めました。 この条例案は、障害を持った当事者の方や家族、関係者などが参加するタウンミーティングや、様々な立場の委員によって構成された「障害者差別をなくすための研究会」の場で議論を尽くし、作り上げられてきました。 その特徴は、ともすると対立関係でとらえられがちであった障害のある方とない方の間で対話を進め、理解を深めることに主眼を置いていることです。 しかし、「教育に関する差別」の規定が誤解を招きやすいとのご意見や懸念が寄せられ、そのため、今議会では、これを修正するための徹底した審議を行うよう求めたのですが、修正を行うのであれば、原案をいったん取り下げるべきであるとの指摘が議会から出されました。 そこで、研究会の皆さんに相談をしたところ、「障害者の問題が議会で、あるいは、教育委員会や市町村で、そして県内至る所で、これだけ議論されたことはありません」「この話し合いの灯火を消して欲しくない」「否決されるくらいなら取り下げた方がいいのではないか」とのご意見が強く、私としては、断腸の思いで撤回を決心したものです。 撤回の理由を述べ、各党から撤回反対の審議が続くなか、議場の空気はピーンと張り詰めていました。知事席から傍聴席までは遠いのですが、手話を熱心に読んでいる聴覚障害者や、ハンカチを目頭に当てている男性・女性の姿を見て、この条例の成立を障害者や家族の方がどんなに待ち望んでいるかを感じずにはいられませんでした。 この夏は、徹底した情報公開のもと、条例についての話し合いを続けることになりますが、改めて9月議会に各党の議員が納得する条例案を提案したいと思っています。 |